●阿藤周平さんから
八海事件が起きて50年になりました。当時、私は24歳でした。今、74歳になった私は50年前をふりかえり、権力に対しあらためて激しい憤りを感じています。 富山事件をはじめ多くのえん罪事件と言われる事件が起きている中、私たちはみなさんと共に闘ってゆかねばなりません。 この度、八海事件発生50年の集会が来る4月21日、広島において開催されることになりました。この八海事件集会を通じて、えん罪事件の恐ろしさを一人でも多くの人に知っていただきたいと思います。 八海50周年集会にみなさんの御支援を心からお願い致します。(阿藤周平 サイン) |
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特集(その2)
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証拠開示を! ・・・弁護団が東京高等検察庁と再度折衝2月19日、富山再審弁護団は、証拠開示を求めて、東京高等検察庁の太田修(オオタ・オサム)検察官と折衝を行いました。弁護団からは、葉山岳夫弁護士、太田惺弁護士、小原健弁護士、黒田純吉弁護士、原田史緒弁護士が参加しました。
弁護団は、1998年7月に、東京高等検察庁に対して、目撃者の供述調書や捜査報告書、富山さんのアリバイに関係する証拠、富山さんの逮捕写真などの検察官が保管している証拠の開示を求めるとともに、警視庁に保管中の本件に関連する書類の一切を開示することを警視庁に指示するよう、11項目にわたって申し入れました。 以来、弁護団は、3年半にわたって検察庁との折衝を繰り返し、また、裁判所に、検察官に対し証拠開示命令を出すよう折衝を行ってきました。しかし、検察官はいまだに証拠開示に応じていません。 今回の折衝は、新たに着任した太田検察官に対して、弁護団があらためて証拠開示について昨年12月に行った折衝(ニュース148号に掲載)で、検察官が「少し検討する時間がほしい」と求め、この日に行われたものです。
この事件の目撃者は「約40人」いるとされ、そのうち「34人」の供述調書があると、捜査責任者だった警察官が証言しています。公判で明らかになったのはこのうちの7人の供述調書だけで、他を検察官は隠し続けています。 弁護団は折衝で、検察官が開示していない目撃者の供述調書や捜査報告書の開示を特に強く求めています。 法廷で富山さんを「犯人だ」としたO証人のタクシーに乗っていて事件を目撃したK氏は重要な目撃者です。この人は新聞記者でした。弁護団が捜し当てて話を聞いたところ、K氏は、犯人の容貌は「細面で青白いキツネみたいな男」、やせ型でガッチリした男ではなかったと話し、富山さんが身長180センチもあると聞くと、「そんな大男じゃない。それだけは言える」と言い、富山さんの写真を見せると「こんな男じゃない」と否定しました。また、このタクシーにはK氏の姉も同乗していました。弁護団はK氏やその姉の供述調書や捜査報告書の開示を求めましたが、富山さんの無実を証明するこれらの供述調書、捜査報告書の開示を、検察官は「必要性がない」と拒否しました。 また、一審で法廷に立ったI証人と一緒に事件を目撃したY氏の供述調書の開示も重要です。 I証人は、右0・3〜0・4、左0・1〜0・2程度の視力で、16・45メートル離れた「指揮者」を目撃しました。この条件で見ず知らずの人物を目撃しても同一性識別は不可能であることを、昨年7月に弁護団が裁判所に提出した鑑定書が明らかにしています。I証言の信用性が否定された今、一緒に目撃したY氏が何を供述していたのかは重大なことです。 ところが、検察官は、Y氏の供述調書の存在を認めながら、開示を拒否してきました。今回の折衝でも「必要性がない」と拒否を繰り返しました。 富山さんのアリバイに関する証拠のひとつに、警視庁が作成した「前進社の出入り記録」があります。 事件当日、富山さんは池袋にあった前進社にいて、午前11時から12時30分過ぎ頃まで、 事件が発生したのは午後1時5分前後と言われています。富山さんは事件が起きた時、品川区から遠く離れた池袋の前進社にいたのです。 当時、警察は前進社の斜め向かいにパトカーを止め、終日、前進社の出入りを監視していました。富山さんたちは、タクシーが停まるまで前進社の前で素顔をさらしていました。全学連の書記局員であり逮捕歴もある富山さんは当然警察に知られており、警察がきちんと監視していたならば、富山さんたちが午後2時30分頃前進社を出て、タクシーを拾ったことを現認し記録しているはずです。警察の記録の中に富山さんのアリバイを裏づける証拠があるはずなのです。 しかし、今回、検察官は「警察の捜査状況に関する資料を開示するわけにはいかない」と開示を拒否しました。 逮捕写真は、事件にもっとも近い時期の富山さんの容貌を示しています。通常、調書に添付されていたりするのですが、本件では一切明らかにされておらず、上告審で弁護団が証拠開示を求めたのに対して検察官は開示を拒否し、再審段階でも開示を拒否してきました。目撃者たちがどういう目撃をし、それをどう供述したのかが最大の争いになっている事件で、被告とされた富山さんの、事件にもっとも近い時期の容貌を示す逮捕写真を開示しないのは不可解なことです。しかし、今回の折衝でも、検察官は再度「開示できない」と回答しました。 弁護団は、「必要性がない」「不提出記録は特別な理由がないかぎり開示しないのが原則」という検察官を1時間にわたって追及、反論し、目撃者のK氏やY氏の調書や捜査報告書、富山さんのアリバイに関する記録、逮捕写真の開示の必要性を強く主張、結局、検察官は、逮捕写真について「もう一度考える」と再検討を約束せざるを得ませんでした。
検察官が保管している証拠は、検察官のためのものではなく、真実発見にこそ役立てられるべきものです。検察官はすべてを明らかにして公明正大に判断を問うべきです。重要な証拠を隠しつづける検察官のやり方を到底認めることはできません。 弁護団のたたかいとともに、「かちとる会」は証拠開示を求める署名運動を展開し、広く世論に訴えていきたいと思います。みなさんのご支援を心からお願い致します。 (山村) |
証拠の全面開示と事実調べの実現を(無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる広島の会・大槻泰生)
富山事件には、公判に出された証人・証拠以外に富山さんの無実を明らかにする証拠があり、それを検察官は隠し続けている。 |
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「明日の為の十二歩目(数えまちがいがありました。三歩進んで二歩退がる)。地道な努力が万年雪を融かす。」という手紙とともに二千円のカンパを頂きました。ありがとうございました。 |